麗澤大学における「知徳一体」の教育実践

 

 我が国が昭和恐慌に見舞われた昭和十年に、本学の創立者・廣池千九郎が開設した「道徳科学専攻塾」の教育理念は、「知識と道徳はひとつに調和すべきであり、両者が一体となることにより初めて、本来の価値を発揮する」という「知徳一体」の理念でした。この理念を受け継ぐ麗澤大学で、六月二十九日・三十日に日本道徳教育学会第九十三回(令和元年度春季)大会が開催され、開催校の代表挨拶をする機会を頂きました。道徳教育の「要」としての道徳科を考えることをねらいに、道徳教育の研究者や実践家の先生方が全国から集まりました。道徳教育について熱心に議論される光景、そして本学の先生方が分科会の司会や発表を行い、学会をリードする姿を目のあたりにして、熱いものがこみ上げてきました。
 
 これまでの「道徳の時間」が、小学校では平成三十年度より、中学校では今年度より「特別の教科 道徳」(道徳科)として全面実施となりました。このような道徳重視の時代を迎え、本学では、全学共通必修科目として「道徳科学」を開講し、この科目をベースに、経済学部ではさらに「道徳経済一体コース」を開設しており、来年度開設の国際学部では、道徳を価値多様性の問題としてとらえ、多文化共生の専門的な学びに直結させた講義を開講します。
 
 さらに、単なる座学だけでなく、実践的な道徳教育として、グローバルドミトリー(国際寮)で自治の精神の涵養やリーダーセミナーによる異文化理解能力を身に付けた道徳的リーダーの育成プログラムを実施すると共に、グローバルな課題解決型学習(PBL)として、ミクロネシア連邦の環境教育プロジェクト、麗澤模擬国連団体やASPIRE Reitaku等の活動を学生が自主的に行っています。
 
 一方、麗澤大学大学院では、この知徳一体の理念の下、平成三十年度に、道徳教育専攻を持つ学校教育研究科を我が国で初めて開設し、道徳教育の理論と実践の融合を通して、「道徳」に精通した教員・研究者を養成しています。
 
 本学の知徳一体の教育実践は、試行錯誤の連続でありますが、その要諦は私たち教員が「道徳力×専門力」を高めることでしょう。その教育環境づくりが学長の役割であると認識しています。

 

<NO. 156 令和元年9月1日発行より>

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