「道徳教育と道徳科とはどのように違うの?」④

Q アクティブ・ラーニング(能動的学習)とは?

A アクティブ・ラーニングの源は、日本の大学の教育評価が外国の大学と比べると年々下がっていることからきています。すなわち、その原因は、大学での教授方法に新鮮さや学習意欲を高めるような魅力に乏しくなっているのではないかという議論に対する改善策のことです。

 

 教授の一方的な講義から、学生の意見を取り入れたり、学生同士が意見を出し合ったり、視聴覚機器や様々な情報ツールを活用したりして、学生が意欲的に授業に取り組めるように提言されているのです。

 

 小学校では、もうすでに授業に動作化や役割演技、ペープサート、紙芝居、ワークシートを取り入れる工夫をしています。また、複数の先生や地域の方の協力を得ての指導、座席配置の工夫や文字カード、絵、心情曲線など板書構成の工夫など様々な工夫を凝らした授業をしています。子供の興味・関心を高める工夫をしないと授業への集中力が持続しないこともあるのです。

 

Q 問題解決的な学習や体験的な学習とは?

A 道徳科における問題解決的な学習とは、ねらいとする道徳的諸価値について自己を見つめ、これからの生き方に生かしていくことを見通しながら、その価値を実現するための問題を見つけ、どうしてそのような問題が生じたのかを調べたり他者の考え方や感じ方を確かめたりして物事を多面的・多角的に考えて解決に向けて話し合うことです。ですから、学級会のように問題解決にあたって多数決で決めるものではありません。児童一人ひとりが課題に対する答えを導き出すことが大切です。

 

 道徳科における体験的学習とは、教材に登場する人物の言動を即興的に演技して考える役割演技や疑似体験的な表現活動や動作化を取り入れた学習のことです。校外に出て、ゴミ拾い活動や募金活動、挨拶運動をすればよいのではありません。社会科の問題解決学習や生活科や総合的な学習の体験活動とは違うのです。

 

Q 道徳科の評価に向けてどう取り組んだらよいですか?

A 道徳の評価については、個々の内容項目ごとではなく、大くくりなまとまりを踏まえた評価とすることや、児童がいかに成長したかを他の児童との比較ではなく、積極的に受け止めて認め、励ます個人内評価として記述式で行うことが求められています。大切なことは、何を基にして評価したかということです。

 

 道徳科の学習活動に着目し年間や学期といった一定の時間のまとまりの中で、児童の学習状況や道徳性に係る成長の様子を把握する必要があります。例えば、児童の学習の過程や成果などの記録を計画的にファイルに蓄積したものや児童が道徳性を養っていく過程での児童自身のエピソードを累積したものを評価に活用すること、作文やレポート、スピーチやプレゼンテーションなど具体的な学習の過程を通じて児童の学習状況や道徳性に係る成長の様子を把握することが考えられます。

 

 なお、こうした評価に当たっては、記録物や実演自体を評価するのではなく、学習過程を通していかに道徳的価値の理解を深めようとしていたか、自分との関わりで考えたかなどの成長の様子を見取るためのものであることに留意が必要です。

 

 このような評価に取り組むことによって、子供の道徳性が高まり、保護者の道徳教育への関心が高まり、先生方の研修意欲が高まり、教育力の向上が図られる。まさに三方よしです。

 

<NO. 151 平成30年6月1日発行より>

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