季刊誌『モラロジー道徳教育』に掲載された巻頭言集です。

 我が国が昭和恐慌に見舞われた昭和十年に、本学の創立者・廣池千九郎が開設した「道徳科学専攻塾」の教育理念は、「知識と道徳はひとつに調和すべきであり、両者が一体となることにより初めて、本来の価値を発揮する」という「知徳一体」の理念でした。この理念を受け継ぐ麗澤大学で、六月二十九日・三十日に日本道徳教育学会第九十三回(令和元年度春季)大会が開催され、開催校の代表挨拶をする機会を頂きました。道徳教育の「要」としての道徳科を考えることをねら...

◆道徳科の課題
 小中学校における「道徳の時間」が「特別の教科 道徳」(道徳科)として教科化されることによって、年間三十五単位時間が確実に実施されるとともに、子供たちが道徳的価値についてこれまで以上に深く考えるようになり、道徳教育が一層充実したものになることが期待されます。


 この道徳科は「学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の要」に位置づけられ、道徳科の授業においては、これまでの「読み物道徳」から問題解決的な学習や体験的な学習へ...

●対応能力を超えるストレスにどう対応するか
 人間には対応能力が備わっている。けがをしても知らず知らずに治ったり、精神的にストレスがあっても時間とともに解消したりするといった自然治癒力や、環境の変化に対しても自然と適応していく環境適応力などである。それが限界値を超えると異常をきたす。今日の社会の変化や生活環境の変化は、このような対応能力の限界をはるかに超えるストレス要因を、子供たちに浴びせかける。
 このような状況は大人に対しても同...

 9月8日、ニューヨークで行われた全米オープン女子シングル決勝戦で、大坂なおみ選手がセリーナ・ウィリアムズ選手を下して、日本人選手として初めて4大大会での優勝を勝ち得た。

 試合は、大坂選手が力強いプレーで優勢に進める中、ウィリアムズ選手は禁じられている客席からのコーチの指示、プレーが思い通りにならない怒りにラケットをコートに叩きつけた行為、審判への暴言などで、ペナルティを受けた。審判の厳しさに抗議する観客のブーイングの中で、会場は異...

 小学校で道徳科が開始され半年。全国の約645万の児童は、教科書を使用して週1回の授業を受けている。来年度からは、約333万人の中学生に向けて道徳科の授業が開始される。これだけでも、道徳教育が大きな改革の中にあることは確かである。

 つい先日、東京都豊島区の小学校の研究授業を見る機会があった。様々な試行錯誤の中でも全校的な取組がなされ、授業後の研修会も活発であった。何より先生方の授業に対する真摯な姿勢には、新鮮さと清々しさを感じた。

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