1 「特別の教科 道徳」とこれまでの「道徳の時間」の目標の異同
 「特別の教科 道徳」(以下「道徳科」という)の授業づくりや評価の在り方について考える上で、最も重要なことは、「道徳科の目標」すなわち「(前略)よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため、道徳的諸価値についての理解を基に、自己を見つめ、物事を(広い視野から)多面的・多角的に考え、自己の(人間としての)生き方についての考えを深める学習を通して、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる」(以下( )内は中学校)という内容について正しく理解するということである。そのた...

1.最重要な道徳教育

 昭和40年代に「落ちこぼれをつくるな」という言葉が全国的に広がったことがある。「落ちこぼすな」とも「七・五・三教育」とも囃された。小学校では七割、中学校では五割、高校では三割の子供の外が落ちこぼれているなどとも言われ、一つの社会問題になった感がある。

 私はこれに反対した。スローガンとしては分かるし、それは大切ではあるが、もともと能力に差がある以上、一定のレベルを要求する授業では、平均より上の子と下の子が生ずるのは当然であり、ずっと下の子はその時点では落ちこぼれてしまう。だから「落ちこぼれをつくるな」というのは空...

道徳科に求められる「質的転換」

 「特別の教科 道徳」(以下、道徳科と略)の設置が決定され、その具体的な制度設計が大詰めを迎えている。なかでも注目されるのが、道徳授業の指導法の改善である。

 2015(平成27)年8月、中央教育審議会が示した次期学習指導要領のための「論点整理」は、「考え、議論する道徳」への「質的転換」を強調した。

 「論点整理」は、従来の授業が読み物教材の登場人物の心情理解のみに偏り、「あなたならどのように考え、行動・実践するか」を子供たちに真正面から問うことを避けてきたと指摘した。

 そして、こうした心情理解のみに偏る...

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